独占愛~冷酷御曹司の甘い誘惑
「これからはずっと、お前を守らせてくれ」



私の目を覗き込む真剣な眼差しに、収まりかけていた涙が再び滲みだす。



「……私もあなたを守りたい。もうひとりで我慢しないで。私じゃ力不足だろうけど、しきたりの件も一緒に考えさせて」



「……敵わないな。ああ、一緒に守って変革していこう」



嬉しそうに頬を緩める彼はとても魅力的で、敵わないのは、いつだって私のほうだ。



「彩萌、愛してる」



私の左手に触れた瑛さんが、薬指に優しいキスを落とす。



「契約とかなにも関係なく、夫婦としてずっと一緒に生きてほしい」



真摯な眼差しに胸の奥が甘く震える。

視界が滲むのを阻止するように、何度も瞬きを繰り返す。



「私のほうこそ……よろしく、お願いします」



涙交じりの声に、彼がとびきりの笑顔を向けてくれた。



「あなたを、愛してる」



震える唇で告げた想いを、瑛さんがキスで受けとめる。

何度も啄むようなキスがどんどん深くなり、胸に幸せがこみ上げる。


この日流した涙の味を、私は一生忘れない。
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