独占愛~冷酷御曹司の甘い誘惑
「いつもは……もっと冷静で、口数だって多くないのに……」



混乱し、心の内を吐露してしまう。



「気持ちを悟られないよう努力していたからな、年上なのもあるし」



あっさり白状されて、呆気にとられる。


なんて人。


けれど先ほどまで感じていた、暗く悲しい気持ちは綺麗に消えている。

恥ずかしさや戸惑いはあるが、今、想いを通わせれてとても嬉しい。



「――梁瀬さん、梁瀬、彩萌さん」



再び病院の出入り口が開いて、看護師に名前を呼ばれた。



「はい」



瑛さんが私を抱きしめたまま返答する。



「あら、あなたは……」



「夫です。私も同席できますか?」



「もちろんです。どうぞ二番のお部屋に入ってください。移動はゆっくりでいいですからね」



そう言って、看護師は先に院内に入っていく。



「行こう、彩萌」



「いい、の?」



「当たり前だ。俺とお前の子どもだぞ、むしろ同席したい」



自然な様子で口にする姿に、胸が甘く震えた。

手を繋ぎ歩む道のりを、初めて幸せだと思えた。
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