【砂の城】インド未来幻想
夕食の時刻が迫り、本日も二度のノックが扉を震わせた。ナーギニーの応答に現れた二人の侍女の内、どうしてなのかどちらもシュリーではない上に、二人は食事のワゴンを引かずに入室した。
「シャニ様がお呼びでございます。お部屋へご案内を致します」
「え……?」
ナーギニーは我が耳を疑ってしまった。聞こえてきたことへの理解には時間が掛かり、けれど徐々に激しくなる鼓動が自らに知らしめる。
刺繍も舞踊も終えた今、断る理由は見つからなかった――。
「す、少し、お部屋の外でお待ちください……支度をして、参ります」
掠れた小声でも、侍女達は小さく頷いて静かに退室してくれた。キャビネットの引き出しに見つけた便箋とペンを急いで取りに走り、少女は心もとない指に力を込める。
『シャニ様からお招きに預かり、しばらく留守に致します』
何とかシュリーにメッセージを残したナーギニーは、回廊で待つ侍女に連れられ、不安を携えて自室を後にした――。
「シャニ様がお呼びでございます。お部屋へご案内を致します」
「え……?」
ナーギニーは我が耳を疑ってしまった。聞こえてきたことへの理解には時間が掛かり、けれど徐々に激しくなる鼓動が自らに知らしめる。
刺繍も舞踊も終えた今、断る理由は見つからなかった――。
「す、少し、お部屋の外でお待ちください……支度をして、参ります」
掠れた小声でも、侍女達は小さく頷いて静かに退室してくれた。キャビネットの引き出しに見つけた便箋とペンを急いで取りに走り、少女は心もとない指に力を込める。
『シャニ様からお招きに預かり、しばらく留守に致します』
何とかシュリーにメッセージを残したナーギニーは、回廊で待つ侍女に連れられ、不安を携えて自室を後にした――。