スパダリ部長に愛されてます

2回目のレッスン

忘年会の翌日の土曜日は2回目のレッスン

今日も午後から部長とのパーソナルレッスンだ。
あーーー、緊張しちゃう。

そう思いながら教室に行くと、速攻で受付のマキちゃんに捕まった。
「ヨーコ先生、待ってましたよ!
今日は、新山さんのレッスンですね。
私、今日が来るのが楽しみで楽しみで。」
いつも以上にニコニコしているマキちゃんが話し続ける。
時間が許す限り質問攻めにされたけど、
レッスン後のカフェとディナーの話はなんとなく内緒にしておいた。
会社での部長がいかに素敵かを語れば、マキちゃんは十分に満足してくれた。

午前のグループレッスンとランチを終え準備をする。
先週と同じように15分前に部長があらわれた。
「こんにちは」
「あ!部長、お疲れ様です。
あ、賢二さん、です、ね。
失礼しました。」
受付のカウンター内で立ち上がって、しどろもどろになってしまった。
「んぷっ」
横を見ると、カウンターに突っ伏して、マキちゃんが笑ってる。
「もうっ、マキちゃん笑いすぎでしょ。」
「だってぇ、ヨーコ先生、緊張してるぅ。うぐ」
「しょうがないでしょ、上司なんだもん。」
マキちゃんが苦しそうに笑ってる。そんなに笑うことないでしょ。
恥ずかしくて、きっと顔が赤くなってるにちがいない。
「じゃぁ、ヨーコ先生、またあとで。」
にこやかに部長が更衣室へと入って行った。
「ほんと、今日もイケメンですね。
ここだけの話、ここの生徒さんの中でも、新山さんは人気なんですよ。」
2人で見惚れながら、ほーっと更衣室のドアを見つめる。

「新山さん、彼女いますかねぇ。
いやぁ、いますよねぇ。
あー、うらやましすぎです!!」
誰に聞くともなく、マキちゃんが興奮して1人で会話をしている。
彼女はいないと先週部長が言ってたけど、黙っておいた。
部長のことは内緒にしておきたい、一つでもひとり占めしておきたい。
なんだかいじわるなワタシがムクムクと現れたが、これは恋なんだろうか。

1人でぶつぶつ言うマキちゃんを横目に、2回目のレッスンに向かった。
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