スパダリ部長に愛されてます

プロポーズ、そして結婚式

その後、私たちは順調に仲を深めた。

交際を開始して半年。
6月に入り、もうすぐ梅雨入りという頃、
お互いの誕生日を祝おうと2人で計画し、横浜山下町にある老舗「ホテルニューグランド」までドライブした。
今日の賢二さんはより一層素敵だ。
明るめの夏用のジャケットを羽織り、中には薄い水色のシャツ、薄い色のサングラスをかけている。
私はこの日のために用意した淡い水色のサマーワンピースにした。
どうも賢二さんはワンピースが好きらしく、いつも嬉しそうに褒めてくれる。
2人で相談したわけでもないのに、水色で合わせて、朝出かけるときに思わず笑ってしまった。
些細なことがとても幸せだ。

お昼前にはホテルに着き、近くでランチを済ませ、散策を楽しむ。
今日のために特別に二人で練ったプランをひとつずつ味わっていく。
その一つが、私がどうしても行きたかった、みなとみらい空中散歩「yokohama air cabin」。
これまでとは違う視点で横浜を見て、楽しいひと時を過ごした。
横浜は二人で何度も来ているけど、お泊りは初めてだから、
時間を気にしなくて良いのが気楽で、いつもよりゆっくりとした時間を楽しむ。

夜、ホテルのフレンチレストラン「ル・ノルマンディ」で食事をした。
パノラミックレストランと謳うだけあって、素晴らしい夜景を見ながら食事を楽しむ。
今日は奮発して「シェフおまかせフルコース」だ。
店内は船内のようで、「いつかは本当の船の旅行にも行こう」と約束する。
いつものことだけれど、賢二さんといると、やりたいことがどんどん出てくる。
これからも一緒に思い出を作っていこう。
レストランは味もサービスも一流で、本当に幸せだ。

ホテルの部屋も横浜港が一望できる素敵な部屋だ。
お昼の景色も素敵だったけど、夜景も素晴らしい。
2人でソファーに並んで座って、ワインを片手に窓の外の景色を楽しむ。
「私、本当に幸せです。」
しみじみと賢二さんの目を見て言葉にする。
前の恋愛で、言葉にすること、しっかりと向き合うことの大切さを身に染みて感じた。
好きをもっと伝えたい。
「今回の旅行もとってもありがとうございます。」
お金を払うと言ったのだけど、賢二さんが全て払ってくれた。
「もっともっと2人でいろんなところに行って、いろいろなものを見て、美味しいものを食べよう。」
にっこりと微笑む賢二さん。
思わず私から抱き着いてキスをする。