スパダリ部長に愛されてます
その後も、夜景を見ながらワインを楽しむ。
ふと、気が付くと、
賢二さんが真剣な顔をして姿勢を正して座っていた。
左手にネイビーの指輪ケースを持って、右手でゆっくりとこちらに向けながらふたを開けた。
ダイヤのリングが光り輝いていた。
「洋子さん、
この先の人生を君と一緒に過ごしたい。
結婚して欲しい。」
賢二さんの顔と手元の指輪を交互に見る。
「はい、こちらこそよろしくお願いします。」
迷うことは一つもなかった。
しっかりと賢二さんの目を見て返事をする。
「よかった。
必ず幸せにする。」
「はい、私もです。
一緒に幸せになりましょうね。」
賢二さんがにっこりと微笑んでくれたので、私も笑顔を返す。

その後、賢二さんが左手の薬指に指輪をはめてくれて、二人で指輪を見つめる。
「すっごくきれいですね。
まぶしいです。」
ダイヤに触れながら感触を味わう。
「ちょっとサイズが大きいかな。
お直しも兼ねて、結婚指輪は一緒に買いに行こう。」
「ありがとうございます。
嬉しいです。」
なんとなく今日プロポーズされるんじゃないかと思っていたけれど、
実際に賢二さんに目の前で真剣に言われると嬉しくて涙がこぼれ落ちた。
嬉しくて嬉しくて涙がとまらない。
賢二さんとこんな時を迎えられたことが信じられない。
「私、幸せです。」

賢二さんが優しく微笑んで、ほほを伝う涙に何度もキスしてくれ、
優しくゆっくりと抱きしめてくれた。
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