成瀬課長はヒミツにしたい
「USB……?」
成瀬がつぶやくより早く、真理子は入り口に駆け寄った。
「すみません。中で詳しく聞かせてください!」
真理子は男性の腕をつかむと、グイっと事務所に引き入れた。
まだ学生のような印象の男性は、恥ずかしそうに真理子の手を振りほどくと下を向く。
「彼はアルバイトの中野くんです。パソコンとか詳しくってね、この工場じゃ若い子は珍しいから、みんな頼りにしてるんですよ」
成瀬は工場長の声にうなずくと、中野と呼ばれた男性に向き直った。
「さっきの話をもう一度、詳しく聞かせてもらえますか?」
成瀬と真理子に詰め寄られ、中野はサッと目を逸らす。
そして下を向いたまま壁際に歩いていき、カップを電気ポットの棚に置いた。
「……何か、保存してましたよ。USBに……」
中野は真理子たちに背中を向けたまま、ぽつりぽつりと話し出した。
成瀬がつぶやくより早く、真理子は入り口に駆け寄った。
「すみません。中で詳しく聞かせてください!」
真理子は男性の腕をつかむと、グイっと事務所に引き入れた。
まだ学生のような印象の男性は、恥ずかしそうに真理子の手を振りほどくと下を向く。
「彼はアルバイトの中野くんです。パソコンとか詳しくってね、この工場じゃ若い子は珍しいから、みんな頼りにしてるんですよ」
成瀬は工場長の声にうなずくと、中野と呼ばれた男性に向き直った。
「さっきの話をもう一度、詳しく聞かせてもらえますか?」
成瀬と真理子に詰め寄られ、中野はサッと目を逸らす。
そして下を向いたまま壁際に歩いていき、カップを電気ポットの棚に置いた。
「……何か、保存してましたよ。USBに……」
中野は真理子たちに背中を向けたまま、ぽつりぽつりと話し出した。