成瀬課長はヒミツにしたい
そこには成瀬からの着信が、何件か表示されていた。
――全然、気がつかなかった……。
「真理子ちゃんの赤ちゃん、生まれるの?!」
額に手を当てる明彦に、乃菜が瞳を輝かせながら声をかける。
「すぐに行こう」
明彦は気を取り直すと、乃菜の手を握り、夏美が車を路上駐車している場所まで駆けだした。
急いで社用車の後部座席に、乃菜と二人で乗り込む。
シートベルトをつけながら運転席を見ると、夏美はぐっと両拳を握ってから、震える手でハンドルを握っていた。
明彦はその様子に一抹の不安を抱く。
「えっと……。志賀さんって、運転できるんだよね?」
恐る恐るバックミラーに写る夏美の顔を伺うが、夏美は何も答えない。
夏美は手を伸ばすと、おもむろにエンジンをかけた。
「……しっかり、つかまっててください」
いつになく低くキリッとした声が聞こえたか聞こえないかのうちに、車は猛スピードで発進する。
「ぎゃー、怖いー、死ぬー」
「いいから、もうおろしてー」
二人の悲鳴は、夜の高速道路に溶け込むように、車の中で何度も響いていた。
――全然、気がつかなかった……。
「真理子ちゃんの赤ちゃん、生まれるの?!」
額に手を当てる明彦に、乃菜が瞳を輝かせながら声をかける。
「すぐに行こう」
明彦は気を取り直すと、乃菜の手を握り、夏美が車を路上駐車している場所まで駆けだした。
急いで社用車の後部座席に、乃菜と二人で乗り込む。
シートベルトをつけながら運転席を見ると、夏美はぐっと両拳を握ってから、震える手でハンドルを握っていた。
明彦はその様子に一抹の不安を抱く。
「えっと……。志賀さんって、運転できるんだよね?」
恐る恐るバックミラーに写る夏美の顔を伺うが、夏美は何も答えない。
夏美は手を伸ばすと、おもむろにエンジンをかけた。
「……しっかり、つかまっててください」
いつになく低くキリッとした声が聞こえたか聞こえないかのうちに、車は猛スピードで発進する。
「ぎゃー、怖いー、死ぬー」
「いいから、もうおろしてー」
二人の悲鳴は、夜の高速道路に溶け込むように、車の中で何度も響いていた。