間違ってる?間違ってない?
23. 父の思い

父・紘は、
「美穂ちゃんとの
離婚問題があった時も
中途半端だった息子に腹が
たっていました。
美穂ちゃんを本当に好きなら
愛しているなら
乗り越えて行けるのではないかと。
だけど、大和は離れる事を
選びました。

美穂ちゃんの体の心配からか
罪悪感からかはわかりませんが
行事ごとは、相変わらず
両家でやっていましたが·····

そんな中
大和が夏帆さんを連れて来て
これで、美穂ちゃんも大和も
新たな道を進めると思い、
嬉しかったのです。

お互いに一緒にいるから
罪の意識に苛まされる······と

だけど、もう一人傷つく人を
増やしただけでした。

鬼頭先生、
本当に申し訳ありませんでした。
と、夏帆さんとご両親に
お伝え下さい。
夏帆さんには、
幸せになって欲しいと
心から願っています。」
と、父は頭を下げていた。

父がそんな事を思っていたなんて
知らなかった。

なんだか、母親と二人
もう一度、考えさせられた。

帰宅して父親から
「異動願いをだして
   この県から出ろ。」
と、言われて
母が
「あなた?!」
と、言ったが
「一人で、考えた方が良い。」
と、言う父親に
自分もそうだと思った。

鬼頭弁護士から離婚届が
受理されたと連絡を貰い
総務に離婚した事を伝えて
異動の願いを出した。

総務からは、再婚して
一年経たずの離婚に
怪訝な顔をされたが
致し方ない。

夏帆も大船支店で
離婚の手続きをしているだろう。

週末の土日に
夏帆が荷物を取りにマンションへ。
鬼頭弁護士立ち会いで
行われた。

家具や家電は、一切持ち出さなかった。

洋服類と日用品、書籍類が
ダンボール箱で運び出された。

後、夏帆が使用していた
タオルやマット、食器類は
破棄されるのか
ビニール袋に入れられていた。

あれから会えていない夏帆を
ひと目だけでもと思い
隠れてみていた。

山城の両親と弟の優志君がいる。
終わると夏帆は、一度マンションを
見上げてから頭を下げていた。

本当にずっと一緒にいるために
結婚したはずなのに

式を挙げて、一年·····満たず···に

離婚するなんて·······

いったい····俺は·····

 何を···やって····いるんだ······
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