間違ってる?間違ってない?

···一緒に


私達が恋人同士になって
一年、二年と過ぎて行った。

付き合いだして
初めて彼・睦君の誕生日が近づくと
私は、落ち着きを失なう

そんな私に、睦君は、
「夏帆。
俺の誕生日の日
休みなんだけど祝ってくれる?」
と。

言葉が出ずにいると·····

「夏帆。そんな顔するな。
俺の為にケーキを作って欲しい。
夏帆の料理が美味しいのは、
わかっているけど。
ケーキも食べてみたい。」
と、言ってくれて
「俺が、俺の生まれてきた日に
一緒にいて欲しいのも
一緒に祝って欲しいのも
後にも先にも夏帆だけだ。
いずれ家族ができても
それは、変わらない
ああっ」
と、言い

えっ?と思っていると

「シフトが入るかもしれないけど、
その時は、シフト開けに
必ず祝おうな。
生まれてきた事に感謝を
忘れないように。
夏帆の誕生日の時も同じな。」
と、言われて·····

私は何度も
うん、うん、と頷いた。

気持ちが···
心が·····軽くなるのが····わかった。

この人と生きて行こう。
と、この時には
決めていたのだが
ゆっくり進んで行けば良いと
思っていた。

母さんに話すと
うっすら涙を浮かべながら
「良い人と出会えたみたいね。」
と、喜んでくれた。

睦君の仕事は、危険と背中合わせだ
だから、一日、一日を大切に
したい。
それは、弟の優志も同じだ。
大切な人、大切な家族だから。
< 38 / 46 >

この作品をシェア

pagetop