かくも激イカレなオンナたち❷/”どうしてくれるのよ、この熱っ狂しい血…ってこと!”
トライアングル模様/その8
麻衣



パン!パン!

私が大きく手を叩くと、その音は夜の公園に響いた

すると今度はすぐにバイクの音が響き、こっちに向かってくる

ブブブーン…ブーン…

「わー、なんだ、あれ?人を引きずってるよ!」

「ちょっと、アンタ、なんのマネよ、これ!」

そしてバイクは私の前で止まった


...



「静美、始めな!」

「はい、麻衣さん」

バイクから降りた新村静美は、引きずってきた女を乱暴に立ち上がらせた

口にはガムテープがべっとりだ

「あんた、M代じゃないの!」

「M代ー、どうしたの!大丈夫なの?」

ズベども、慌ててその女に寄ってきたわ

「ちょっと、M代に何したのよ!」

「知り合いなのか!そいつ」

私が奴らにそう怒鳴りつけると、こいつら、顔を見合わせてるよ


...



「だから、なんだってのよ⁉」

「…静美!」

私が声をかけると静美は、M代と呼ばれていた女の口からガムテープを勢いよく剥がした

その瞬間、女がわめき散らした

「わー、J子、E子ー!ごめんよ。いきなり連れ去られてボコボコにされたんだよ、私。そんで、本当のこと言わないと生爪剥がすって言われて…」

アハハ…、ズべども、立ちすくんでるわ

ボーゼンとさ…(笑)


...



「おい、この証拠ちゃんにもう一回痛い思いしてもらって、ここで証言させてもいいぞ。どうなんだ?ヤラセ認めるのか!」

ズべ2匹はまた顔見あわせてアイコンタクトだ

「わかった。認めるよ。だから、M代を早く放してやってよ」

「認めたんだな。なら、次だ。証拠ちゃんは、それ済んだら解放してやるからさ」

「なんだよ、まだ何かあるっていうの!」


...



「おたくらが言う”契約”さ、違約条項あったよな」

「えー!そんなのないよ」

「そうだ、もういいだろ、M代の縄ほどいてくれよ…」

フン、時間取らせんなって

私は隣の静美に目で合図をおくった

「ギャー!」

静美は女の左小指を思いっきり外側に折り曲げてた
わー、こりゃ痛いわ

私、経験済みだし、よくわかるわ(苦笑)


...



「やめてー!」

「違約条項、あったな?」

「うん、あった。もう、どうでもいいから、とにかくやめてったら!」

「よし、そんでだ。その違約条項、こっちの認識言うぞ。万一、虚偽、悪意による行為を行って報酬を要求した場合、要求額の3倍相当額を違約金として相手方に支払うものとする。これでいいんだよな?」

「えー!そんな、いくら何でも…」

「むちゃくちゃだわ、そんな額!」

さあ、もう終わりにすんぞ

「指は手だけで10本あるんだ。じっくり向き合ってもいいんだぜ、こっちは」

「ギャー!助けてー!ギャー、痛いよー!」

静美がさらにその角度を上げたら、証拠ちゃん飛び跳ねてるよ(爆笑)

「払いますよ!払いますから、もうやめて」

「よし、お前ら!あくどいやり口で信用おけないから、今日、証拠金もらい受けるわ。財布からありったけの誠意、出しな!」

うん?

合計1万6千円か…

結構な身分じゃん、こいつら





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