光の中の闇と闇の中の光

井龍様side帝夏

「井龍様、華咲すみれを連れてきました。」


「そっか、ありがとう。」


俺の家は井龍家の側近を代々輩出しているから、井龍様とも結構小さい時から一緒にいるけど、誰かを連れてきてこんなに嬉しそうにしているとこなんて見たことなかった。


それだけ特別なんだってことが分かる。


でも、今まで誰にも興味を抱かなかった井龍様が興味を示したということは喜ばしい事でもある。


井龍様の父親はまだしも俺の父親でさえ心配するレベルだったから。


井龍様が誰にも興味を抱かなかったと言ったら不思議に思うかもしれないが、実際そうだ。


井龍様が温厚で誰にでも優しくするのはそれが楽だからで、興味なんてこれっぽちもない。


心が動かないというか...


とりあえず困った人だ。


でも、すみれは冷たい井龍様を知らないから…


もし知っても、井龍様は決して離さないし、逃がさないだろう。


そう思うと、すみれが可哀そうに見えてきた...


でも、きっと井龍様はすみれを大切にする。


だから、井龍様が初めて興味を持ち、大切にしたいと思ったのなら俺は応援するしかない。


というか、応援しなかったら消されると思うww


(困った人だな...)


久しぶりに面倒くさいと思った。
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