光の中の闇と闇の中の光

反撃

「そんなことしていないって言ってるけど、ずっとらんばっかりじゃん。」


「私のことはどうでもいいんでしょ。」


「そうよ、あなたはどこに行ってくれても構わないもの。」


あぁ、改めて言われると悲しくなる。


そんなに大好きならんを使ってまで、私をボロボロにしようとした。


「らんが自分で言ったんだよ。お母さんが命令したって。」


「きっとらんの勘違いよ。ねぇ、らん?」


「勘違いじゃない!この期に及んで言い逃れなんかしないで!」


ついに、らんがキレた。


そりゃそうだ。


自分にしたことを無かったことにしようとしたんだから。


私だってキレたいけど、いまだにお母さんが、怖くて強気に出れない。


「とにかく、二人は僕の家で預かります。」


「そんな...」


「今までやってきたことは既に調べています。あなたの旦那さんが会社でやっていた横領も。」


「...」


敵わないと思ったのか、静かになった。


やっぱり、井龍様は強い。


私とは大違い。


こんな人が私を好きになってくれるわけないのに、なんで私は好きになったんだろう。


らんと仲直りしても、前途多難だ。


無言になったお母さんを置いて、井龍様の家に行かせてもらうために荷物をまとめる。


私の荷物はそこまで多くないからすぐに終わった。


「今までありがとうございました。」


家にお礼を告げて出ていく。
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