隠れ御曹司の愛に絡めとられて

朝一番に職場の皆様に急に欠勤したことを謝罪して回り、入社以来一度も病欠したことがない事もあってとても心配されてしまって、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

一日バタバタと仕事をして、いつもよりあっという間に定時になる。

それでも今日は比較的時間に余裕がある方で、来週の月曜日の準備が終われば退勤できそうだ。


「野村さん、今日はもう上がって下さいね」

「えー、大丈夫だよー? 月曜の会議の確認と準備、しなきゃだし」

「月曜の会議は資料もまだ届いてないですし、今日やっておかなきゃいけないのは機材の確認だけなので。資料のコピーなんかは月曜日に一緒にお願いできたら……」


月曜日に入ってる会議はうちの子会社関連の会議で、子会社からの資料が届かない限りはほぼ何も準備が出来ないのは確かだ。


「うー、じゃあ……先に上がらせてもらうね、ありがとう。お疲れ様」

「はい。お疲れ様でした」


優しくて仕事の出来る後輩を持って、私は本当に幸せ者だと思う。

エレベーターに乗り込み一階へと向かう途中で、私はスマホを取り出し着信履歴の確認をする。

相変わらずたくさん履歴が表示されていて激しくうんざりした。

孝治とちゃんと話をして、こう言うのはもうやめてもらうようにしなければいけない。

そう考えながら、一階に到着したエレベーターを降りる。

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