隠れ御曹司の愛に絡めとられて
「だってそう言うことって、口に出して言わなきゃ伝わらないでしょ?」
「そ、そうかもしれない、けど……」
「ふふ、伝わってても言うけどね……?」
「……」
だから! そう言うところがちょっとホストっぽいのよ!
まぎらわしい。まぎらわしい。まぎらわしい。
自分でも分かっててやってるなら、もっとズルイ!
「お家、帰ろ?」
「……うん」
車を降りてエレベーターへと乗り込む。
扉が閉まるなりカエデくんは私と向かい合うように立って、私の心臓はそれだけでドキリと鳴った。
「亜矢さん、好きだよ」
息をするようにそんな言葉を囁くから、私の心臓はますます早く動くから苦しくて困る。
視線を上げるといつものように甘く微笑んでいるカエデくんがいて、胸の奥がギュッとなる。
そんな風に、ずっと笑っていてほしい、ずっとそれを見ていたい、そう思ってしまうから困る。
――〝口に出さなければ伝わらない〟
さっきカエデくんが言っていたことが、私の頭の中でグルグルと回り続ける。
なぜグルグルし続けるのか。
その答えは、もう分かってる。
私はカエデくんに惹かれている。
私はカエデくんが好き。
それが、私の本当の気持ち……。