婚約してから十年、私に興味が無さそうなので婚約の解消を申し出たら殿下に泣かれてしまいました
「今度のバザーの出し物だって、まさかご自身が携わるだなんて、あのクッキーを頂けて感激してしまった」


「型抜きをしただけと言われていたけれど、中々出来る事じゃないよ。優しい方だ」

 セリーナを語るその目は信者のように感じた。


 セリーナのクッキーをあの二人が! 私だって手作りを貰った事がないのに!! あの白い美しい手で型を抜いたクッキーだと? そんじょそこらのクッキーではない! セリーナが型を抜いた貴重なクッキー……心の底から羨ましい。



「ジェフェリー様ぁ。先日はお茶に誘っていただいてありがとうございました! とっても嬉しかったです」


 
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