私の恋人と執事はいつもいがみ合っている
星那父「━━━━蒼志。お前はほんとに、星那と結婚する気あるのか?」


久瀬川邸に着き、星那の両親に謝罪する蒼志と星那。
すると、父親が言い放った。

蒼志「もちろんです!」

星那父「お前、門限をどんな風に考えてた?」

蒼志「どんなって…」

星那父「もう成人してるのに、ウゼーって思ってたんじゃないの?」

蒼志「え……?」

星那父「言ったろ?
俺は、お前を見てるって。
“そうゆうところも”見てるんだぞ?
社会で時間を守れない人間は、信用を得られない。
しかもお前は、将来草壁を背負う人間だ。
そんな奴についていく社員なんかいない。
社会に出たら“つい”とか“羽目外しちゃった”なんてのは、通用しない。
…………もう一度、言っておく。
星那の父親は俺だ。
この俺が信用出きる人間じゃないと、星那を渡さない。
中途半端は嫌いだ。
“目に見える形を見せろ”」

蒼志「はい。すみませんでした……!」

力強い視線に、蒼志も大きく頷き頭を下げるのだった。



それから、星那の部屋にいる蒼志。

蒼志「ごめん、星那」
ソファに並んで座る星那に頭を下げる。

星那「え?なんで!?
悪いのは、私だよ!
ちょっと位なら大丈夫って思ってた私が悪いの!
ごめんなさい!
それにパパとママが過保護なだけだし、私が頼りないからだし、とにかくあーくんは何も悪くないんだよ?」

蒼志「ううん。悪いのは、俺!
おじさんの性格わかってたのに、甘く見てた俺の責任!
でもこれから後一年で、ちゃんと信用を取り戻すからな!
絶対!大学卒業してすぐ、星那を嫁さんとして迎えに行く!」

星那「あーくん…
ありがとう、あーくん!
私も!後一年で、ちゃんと自分の足で立てるように頑張る!」

蒼志「うん。
……………星那、改めて言わせてほしい」
星那「ん?」


蒼志は、姿勢を正し星那を見据えた。
星那も自然と、姿勢を正す。

蒼志「久瀬川 星那さん。
大学卒業したら、必ず迎えに行きます。
だから、僕の嫁さんになってください……!」

星那「あーくん……
━━━━━━はい!草壁 蒼志さん!
私も、将来社長さんになるあーくんに相応しい女性になります。
だから、貴方のお嫁さんにしてください!」


蒼志「……フッ…」
星那「フフ…フフフ…」

クスクス笑う星那を抱き締める、蒼志。
蒼志「何でだろう…」
と呟く。

星那「ん?」

蒼志「星那相手だと、熱くなる。
心が、動くっつうか……」

星那「え?」
蒼志「…………ううん…」

星那「……??」

今までこんな、物事に必死になったことがない。
なのに、いつも星那のことは必死に追いかけていた。

距離をおいても、大騎達とつるんでても……

あぁ…そうか……!
俺はそれ程、星那のことが…………

蒼志「星那、好き…大好き……!」

星那「フフ…私も!大ー好き!」


しばらく、二人はただ抱き締め合っていた。
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