私の恋人と執事はいつもいがみ合っている
「━━━━風が気持ちい~ね!」
「………」
「そうですね!お嬢様!
今日は暖かいですし、お天気も良くて良かったですね!」


土曜日。
高台にある公園に向かった、蒼志達。

天気も良く、比較的風も暖かい。
気持ち良さそうに景色を見ている星那。


不機嫌な蒼志と、幸せそうな河冨。
正反対の二人を見て、星那はクスクス笑う。

「フフ…」

「フフ…じゃねぇの!
俺は!星那と“二人が”良かった!」

「でも……河冨も家族だし…」

「わかってるけど!」

「あーくん」

「何!?」


「━━━━━━私は、あーくんが大好き!」

「星那…」

「好きだよ、大好き!」

「うん、俺も!」

「でもね。
河冨のことも、好き!」

「は?」
「お嬢様…/////」

「ただ…“好き”って種類が違うの。
河冨、渡したお手紙呼んでくれたよね?」

「はい」

「河冨は、私にとって“お兄様”なの。
それ以上でも、それ以下でもないの。
物心ついた時には、もう…河冨が傍にいて、沢山のことを教えてくれて、今でも河冨のこと頼っちゃうくらい信頼してる」

「はい」

「でも……でもね……」

「はい」

「河冨とは、キスやそれ以上はできない……!」

「はい。わかってますよ?」

「やっぱり、キスやそれ以上は……あーくんじゃなきゃやだ!!
あーくんだから、何でもしたい。
あーくんだから、何されてもいい!」

「はい」
「星那…」

「勝手だけど、ズルいけど………
私は、三人でいたい……!
この先あーくんと結婚しても、やっぱり河冨にいつもみたいに傍にいてほしい!」

少しずつ、星那の瞳が潤み出す。

「星那…」
「お嬢様…」


「こんな私だけど、二人は受け入れてくれる?」


星那の言葉に、蒼志と河冨は同時に言った。


「当たり前だろ!!」
「もちろんです!!」


三人は、微笑み合うのだった。
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