❤️お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない
冨樫は葉月に背を向けて、テーブルの上のスマホを手に取った。

その瞬間、葉月は冨樫の背中に抱きついた。

「少しだけ、このままでいてください」

冨樫は背中に葉月の温もりを感じていた。

葉月は冨樫の背中に言葉をかけた。

「そのままで聞いてください、冨樫さんの記憶はまだありません、でも、
私の夢の中に毎日出てくる男性がいるんです、葉月、葉月って名前を呼んでくれて、
でも顔も名前も分からなくて、そんな時、冨樫さんの名前を会話の中で聞くようになり、
その度に身体が熱くなって、心臓がドキドキするんです」

冨樫も心臓の鼓動が加速していった。

「私は冨樫さんの妻なんですよね、なんで事務所に寝泊まりしているんですか、
どうして、入院中、顔を見せてくれなかったんですか」

「葉月、俺はお前を愛しすぎてひどい仕打ちをしてしまった、決して許されることではない、だから、俺は葉月と距離を置いている、でも俺はお前を諦めることが出来ない」

冨樫は葉月の方に向きを変えて、葉月の肩を抱いた。

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