❤️お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない
第十章 離れて気づく想い
「葉月、すぐに許してもらえるなんて思ってはいない、でも俺は諦めないから、明日もくる」

冨樫はアパートを後にした。

心配なのは山辺だな。

俺は葉月に密かに護衛をつけた。


俺は毎日葉月のアパートへ行った。

インターホン越しに葉月の声が聞こえた。

「葉月、冨樫です、何か困ったことはないか」

「大丈夫ですよ」

やはり、この日もドアを開けてくれることはなかった。

「冨樫さん」

葉月から声をかけてくれた。

「なんだ」

「買い物行きたいんですが、ちょっと遠いので、車でお願いしたいんですが、お時間大丈夫ですか」

「大丈夫だ」

俺は奇跡が起きたのかと思った。

ドア越しに話をするだけでもいいと思っていた。

それなのに、買い物に付き合って欲しいと葉月から要望を伝えられ、しかも車でなんて、

テンションが上がった。

しばらくすると、ドアが開いて葉月が姿を現した。

久しぶりにみる葉月の顔は少し不安そうだった。

「葉月」

< 82 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop