❤️お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない
「わがまま聞いて頂いてありがとうございます」

「こんなのわがままのうちに入らないよ」

車からヤスシが出てきて、葉月に挨拶した。

「葉月さん、お久しぶりです、体調は大丈夫ですか」

「はい、大丈夫です」

俺は後ろのドアを開けて、葉月をエスコートした。

「ありがとうございます」

葉月は車の後部座席に乗り込んだ。

俺は助手席に乗ろうとドアを開けた。

「冨樫さん、後ろに乗ってください」

「いや、しかし……」

「私と一緒は嫌ですか」

「そんなわけないだろう、葉月は俺と一緒で大丈夫か」

「大丈夫です」

葉月は笑顔で答えてくれた。

葉月がアパートに引っ越してから三ヶ月が経っていた。

「冨樫さん、助手席じゃ危険ですもんね」

冨樫は「そうだな」と返事に躊躇していた。

実はこの車は全面防弾ガラスだから、助手席でも問題はないが、

葉月の近くに居たいと思った冨樫は、こんなへんじになった。

車の中は沈黙が流れた。

「なあ、葉月、また車使いたい時は言えよ」

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