❤️お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない
第十一章 拉致された葉月
そんなある日、葉月に付き添って買い物に来たのはヤスシだった。

葉月とヤスシはあっという間に拉致された。

薬で気絶したため、気がついたのは辺りが薄暗くなってからだった。

身体はロープで縛られて身動きが取れなかった。

マンションの一室のような部屋だと言うことはわかった。

隣には相当痛めつけられて、虫の息であるヤスシが転がっていた。

「ヤスシさん、ヤスシさん」

そこへ、守が入ってきた。

「お嬢さん、やっとお目覚めかい」

「ヤスシさんの手当てをしてあげてください」

「痛めつけた相手を手当てするほど、優しい心は持ち合わせてないんだ」

「それなら、私が手当てしますから、ロープを解いてください」

「そうはいかねえなあ、ロープ解いたらお嬢さん、逃げるだろ」

「ヤスシさんをおいて逃げたりしません」

「そうか、あんた自分の置かれている立場をわかってるのか」

「理由はわかりませんが、私は捕まってしまったんですよね」

守は葉月をじっと見つめながら言葉を発した。

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