月下の逢瀬
「その名前は昔、医学書で拾ったことがある。
その時の知識で、思うことがあるんだが」
片桐は眉間にシワを寄せて、言い躊躇うように一度唇を引き結んだ。
「……ロキタンスキー症候群は、子宮のみではなくて、膣も欠損していることが多い。
その殆どに、性交渉の障害が起きる。
お前、久世を抱けないストレスを、椎名にぶつけたんじゃないだろうな?」
最後まで聞かずに、殴り掛かっていた。
「……っざけんな! 何も知らないあんたが、勝手なこと言うんじゃねぇよっ!」
「じゃあ何で椎名に手をだした?
久世の側で彼氏ヅラして、理解してるフリをして!
それでこの裏切りか?
女二人をお前の勝手で壊すんじゃねぇよっ!!」
立ち上がって俺の拳を避けたかと思うと、腹に衝撃。
片桐の膝がみぞおちに入っていた。
思わずうずくまる俺の襟首を、片桐が掴み上げた。
「同情だか愛情だか知らないが、一旦手を差し出したものを裏切るなんて最低なんだよ。
久世の側にいると決めたのなら、椎名に手を出すべきじゃなかった。
椎名が好きなのなら、久世がどれだけ可哀相でも、離れるべきだった」
耳元で低く責める声。
その時の知識で、思うことがあるんだが」
片桐は眉間にシワを寄せて、言い躊躇うように一度唇を引き結んだ。
「……ロキタンスキー症候群は、子宮のみではなくて、膣も欠損していることが多い。
その殆どに、性交渉の障害が起きる。
お前、久世を抱けないストレスを、椎名にぶつけたんじゃないだろうな?」
最後まで聞かずに、殴り掛かっていた。
「……っざけんな! 何も知らないあんたが、勝手なこと言うんじゃねぇよっ!」
「じゃあ何で椎名に手をだした?
久世の側で彼氏ヅラして、理解してるフリをして!
それでこの裏切りか?
女二人をお前の勝手で壊すんじゃねぇよっ!!」
立ち上がって俺の拳を避けたかと思うと、腹に衝撃。
片桐の膝がみぞおちに入っていた。
思わずうずくまる俺の襟首を、片桐が掴み上げた。
「同情だか愛情だか知らないが、一旦手を差し出したものを裏切るなんて最低なんだよ。
久世の側にいると決めたのなら、椎名に手を出すべきじゃなかった。
椎名が好きなのなら、久世がどれだけ可哀相でも、離れるべきだった」
耳元で低く責める声。