月下の逢瀬
理玖、ダメだよ。
それ以上言わないで。

そんな告白をしないで。
あたしの心はそれを吸収して、侵されてしまう。

引いた手を、強く握りしめた。


「い、今更、何言ってんの……。
もう、そんなの」


「そんなの遅い、よな。わかってる」


あたしの言葉を引き取って、理玖が言った。


「わかってる。だから」


「ママー。べたべたー」


アイスを食べ終えた優月があたしを見た。

「え? あ、うん……」


汚れた口元を、ハンカチで拭う。


「ゆじゅき、あいしゅすきー」


「そっか。よかったね」


笑いながら答えるあたしの手は、カタカタと震えていた。


「ママー、だっこ」


口元が綺麗になると、優月が両手を差し出してきた。
お腹がいっぱいになったのか、目が眠たそうにとろんとしている。


「ほら、おいで」


立ち上がって、両手を出す優月を抱き上げた。



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