【番外編】副社長の一目惚れフィアンセ ~詩織の物語~
「部活とバイトしてて、ちょっと余裕なくて。
でもバイトはもうすぐやめるし、ちゃんと周りとコミュニケーション取るようにする」
真面目か!と突っ込みたくなると同時に、穴があったら入りたい気持ちになった。
彼が抱えている苦労を何も知らずにひどいことを言ったのに、謝られた上に反省までされてしまうなんて。
罪悪感で死にそうだ。
「ごめん。
反省すべきは私であって、吉井くんじゃないよ。
思ったことをすぐ口に出しちゃうタイプで。
ついでに喧嘩っ早くて。ホントにごめんね」
視線を泳がせたら、ふっと笑い声が降ってきた。
「木村さんって面白いな。なんか元気出る」
初めて見た屈託のない笑顔に、反応を返すことを忘れた。
人はこうも簡単に恋に落ちるものなのかと感心してしまうほど、私は一瞬で彼に落ちた。