だんまりカメラマンとニセアイドルの一冊の写真集

そのアイドルは誰からも愛される笑顔が売りで特徴的だった。

優しく微笑む、誠実そうでいい男のイメージであった。

なるほどと僕はうなずいていた。

戸川マネージャーの熱弁の隣りでかったるそうなアイドルがいた。

「ハッ。愛されるアイドル…またブッサイクどもに好かれちまうわけ~。
 わぁ、めんどくせーうぜぇ~し、死んじまえ」

ど…どうやら表裏のあるアイドルのようで……。

と、じーっと僕がアイドルを見つめていると。

「しけた面で俺様のことを見ないでくれる?
 このだんまりカメラマン」

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