愛よりもお金が大事。
「花梨、今日俺早く帰れるから。
いつものように、俺の部屋に来いよ?」


冬野は、そうさらっと私に向かって言う。


「…あ、えっと。
今日の件、また夕方くらいにお電話します。
失礼します」


七種さんは、面倒事に巻き込まれたくないと言った感じで、そそくさと私達から離れて行った。



「冬野、なんで邪魔するの?」


「お前が好きだからだよ」


そう言われると、何も言えなくなるけど。
だけど。
せっかくの、チャンスだったのに。

「あけぼし商事、社員の平均給料うちよりぐんといいし。
七種さん、出来る営業マンって感じだったから。
年収800万は超えてそうだったのに…」


「遊んでそうだったけどな?」


「そうかな?」


それなら、それは別にいい。
エリート商社マンなら、モテるのは分かっている。
私は結婚してくれるなら、浮気でも不倫でも目を瞑る。


でも、私が浮気相手になる場合もあるか。
ちょっと焦ってて、見境がなくなっていたかも。


私が焦る理由は、きっと…。


目の前の冬野が好きでたまんなくて、早く彼氏でも作らないと、
本当にこの人から抜け出せなくなりそうで。
かなりこの人に私は溺れている。

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