孤高の御曹司は授かり妻を絶え間なく求め愛でる【財閥御曹司シリーズ黒凪家編】
「奏飛……」
初めて感謝を伝えた俺に、母は驚きを隠せない様子だったが、その瞳にみるみる涙が溜まっていった。気持ちを言葉にするのは気恥ずかしいが、悪くない。
温かな空気に包まれる中、ひとり蚊帳の外状態だった父が、観念したように口を開く。
「皆の気持ちはわかっている。子供についても、〝階級制度の中では〟女の子だったら意味がないと言いたかったんだ」
口調を和らげた彼は、これまでを思い返すようにどこか遠くに視線をさ迷わせる。
「私は、制度は絶対だと教えられて生きてきた。心の片隅でおかしいと思う時があっても、そう感じるのはいけないことなのだと言い聞かせて」
自分自身と向き合うように語る父も、俺たちと同じ葛藤をしてきたらしい。
「でも深春さんが来た時、漠然とこの子は現状を変えるかもしれないという予感がしてね。この家族がどう変わっていくのかを見てみたくなった。結局、私自身もそれを望んでいたのかもしれない」
初めて感謝を伝えた俺に、母は驚きを隠せない様子だったが、その瞳にみるみる涙が溜まっていった。気持ちを言葉にするのは気恥ずかしいが、悪くない。
温かな空気に包まれる中、ひとり蚊帳の外状態だった父が、観念したように口を開く。
「皆の気持ちはわかっている。子供についても、〝階級制度の中では〟女の子だったら意味がないと言いたかったんだ」
口調を和らげた彼は、これまでを思い返すようにどこか遠くに視線をさ迷わせる。
「私は、制度は絶対だと教えられて生きてきた。心の片隅でおかしいと思う時があっても、そう感じるのはいけないことなのだと言い聞かせて」
自分自身と向き合うように語る父も、俺たちと同じ葛藤をしてきたらしい。
「でも深春さんが来た時、漠然とこの子は現状を変えるかもしれないという予感がしてね。この家族がどう変わっていくのかを見てみたくなった。結局、私自身もそれを望んでいたのかもしれない」