あくまくんが愛してやまない。
「会えない日は、ラインして」
「……もちろんだよっ」
「ん」
昼休みに恭平くんに会えなくなる日が増える。
そう考えるだけで、すごく辛いけど、でもこうやって彼が言ってくれるから胸が満たされる。
恭平くんは、きっとわたしのことなどお見通し。
扱い上手で、本当に優しい。
くるりと踵を返して屋上の扉に手をかける恭平くんの背中を眺めていると、彼は、わたしをちらりと見て口角を上げた。
「会える日は死ぬほど可愛がってあげる」
「し……っ、かわっ……?!」
「ふはっ、じゃあね」
今日の幸せな時間が終わる前に、恭平くんはそう言って手をヒラヒラと振るのだった。
(しばらくフリーズしてしまって授業に遅刻しかけたのは、もちろんかっこよすぎる彼のせいだ)