【完】シンアイ

元々学校に居場所がなかったのが更に苦しくなって、学校に行く事すらやめようと思い始めた頃、年が明けて初めての雨が1月の下旬に降った

雪混じりの冷たい雨が降っていて、朝家を出る時に宮脇さんに持たされたビニール傘をさして、歩き慣れた道を歩いて宮脇さんのいる家に帰った

今日は体調が悪いから仕事を休むと行ってたし、玄関で見送ってくれた時も顔色悪かったからあまり迷惑かけたくない

負担を増やしたくなくて学校に行くけど、正直教室に入る足は重い
でも少し帰る時だけは軽くなる気がする

玄関の鍵を開けてドアを開ければ、丸くなってうずくまる人影

「宮脇さん?」

それがだれか、なんて容易に想像がついて、ラグの上で小さくなる彼はゆっくり顔をあげて、無言でこちらを見つめる
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