【完】シンアイ
「俺は、大丈夫だよ

むしろ、取り調べとかされたことないから新鮮だったけどね

ただ、もう二度とこんな体験は勘弁して欲しいな」

「私もです」

取り調べは勘弁して欲しい

そう言っているのにその元凶の私を手放そうとしないし、そんな話題を一切出さない

でも、もう2度目はないだろう

靴を脱いで信也さんに近づいて、無言で抱きつく

「大丈夫、そばにいるよ」

理由も言わず無言で抱きつく私を、何も聞かず包み込むように抱きしめてくれる

当たり前のように一緒にいたけれど、当たり前がこんなに貴重で大切なんだと、初めて気付かされた

信也さんは、こんなに大切なものを一気に失ってたんだ・・・
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