【完】シンアイ
あからさまにため息をついて信也さんはこちらに歩いてきて私の斜め前にたって、西塚さんを見据える
「彼女と僕は、婚約関係にあります
既に彼女の親にも同棲に関する許可は得ていますし、合意も得ています
通報したいならどうぞ」
らしくない煽りを含んだ言い方
「通報するにしても証拠は何かあるんですか?証拠もないのに警察は相手にしませんよ
彼女の書類の住所は俺と同じ住所で会社にも提出しています
住民票も同じです
こんな写真で騒ぐ暇があるなら、君はまだ終わっていない仕事をして下さい」
ピシャリと言い放った信也さんは、自分のデスクに足を向けるが、間髪入れずにスマホが着信を告げて、電話に出る