【完】シンアイ

とりあえず電話を掛けようと人の邪魔にならないようによけて、柊さんに電話を掛ける

周りを見渡しながら、柊さんは信也さんより身長が低いから探しにくいような気もするけれど、私は椎葉さんの番号を登録してなかった
だから助けを求めるなら柊さんだけ

周りをきょろきょろ見ながら耳元で鳴り続けるコール音に不安が広がる

『ごめん結衣ちゃん、人が多くて見失った

近くに何がある?』

5コール目で電話に出てくれて、申し訳なさそうな声が聞こえてくる

耳元から聞こえる音と柊さんの方から聞こえる音が一緒だから、そう遠くはないはず
見渡して、目立つ建物はこれと言ってなくて、近くにあったホストクラブの看板と目の前の飲食店の特徴を言う

「そこから動かないで、すぐ行くから」

電話が切れて、待っててと言われたのでそのまま動かず立ち尽くす

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