【完】シンアイ
「だとしてもだ
少しはあとのことを考えて行動するように

・・・あと、髪乾かせ」

ハンドタオルを1枚渡され、和人の手元にはバスタオルと俺の服が握られていて、そのまま玄関に向けて歩き始めていった

結衣ちゃんは俺の知る妹とはどこか雰囲気が違った

大人しくて、静かな女の子

喋る時も言葉を選んでいて、でも必要最低限の挨拶やマナーはできている印象
ただ、寂しそうな、少し哀愁漂う雰囲気だけは妹ではなく、俺によく似ていた

そこから、頭の中毎日結衣ちゃんでいっぱいで、仕事中ですらずっと考えているほど気になって仕方がなかった

恋は病

なんて言葉を今まで信じたことがなかったけれど、2度目に結衣ちゃんにあって、初めて確信した

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