2ねんせいの夏。
パーティーには、
たくさんのプレゼントを貰って
うれしそうな健と、

時計を気にして両親を待つ、
さみしそうな健がいた。

結局、
健が起きている間に、
両親が帰ってくる事は


なかった。


健は、夜中、
布団の中で、あったかいものが
動いたことで目を覚ました。

時計は23時57分。

恐る恐る布団をめくると、
小さな小さな

クリーム色の

かわいい


子犬。

『あったかい生きものだ!』

健は自分の布団の中で眠る子犬を抱きかかえると、
部屋で寝ている奈々を起こして、子犬を自慢げに抱っこして見せた。

『僕のっ、僕の弟!』

『私の弟?…犬じゃん!
どうしたの?』

『プレゼントだよ。絶対!』

健の話を聞きつつまた眠りに入りそうな目をした奈々をおいて、健は春の部屋を目指した。

途中、居間から聞こえる
両親とお手伝いさん達の声。

健は子犬を抱えて声の方へ
足を運んだ。

ドアの外から両親を見つめる健に気付いたあかねさんは、笑顔で手招きした。

時計は0時12分。
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