2ねんせいの夏。
おじさんは
工場からあがる
小さな炎との戦いを
終えようとしているところだった。

修と目が合ったおじさんは、

『わるいわるい。ちょっとした不注意で。大したことないのに、慌てちゃったよ。』

おじさんはそう言って笑ったが、修の様子はおかしかった。


“逃げられないんだ…”


後退りした修は、走りだしていた。後ろから聞こえるおじさんの声も無視して。

あてもなく走った。

走った。


そして、
見覚えのある街にたどり着いた。

何故か来てしまった家の前。

少し眺めてそこを離れた。

あてなく歩いて

夕焼けが来て、



あいつらに出会った…。
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