Contact〜再会した初恋の君に〜
紗希
カーテンの隙間から朝日を感じて目を開けた。
目の前に見えたのは宏和の胸元だった。
ビクッとして身体を震わすと、頭の上からクスッという小さな笑い声が聞こえてきた。
「おはよう」
「…おはよう…ございます」
「なんで『ございます』なの?」と寝起きとは思えないくらい爽やかな笑顔で訊かれる。
「なんでだろう…。なんか今までと違う感じがするからかな…?」
二人で迎える朝は初めてではないのに、不思議な感じがした。
「俺が紗希のすべてを包めるくらいの男になろうって決意が伝わったのかな?」
「す、すべてを包むって、急にどうしたの? な、なんかそれって恥ずかしい…」
照れる私の頬に唇を寄せて、チュッと軽くキスをされた。
「紗希…可愛い」
耳元でそんなことを囁やかれ身体がビクッとすると、包むように頬に手を当てきた宏和は今度は唇にキスをした。
宏和が甘い瞳を向けてきて、私は動揺してしまう。
「ひ、宏和。そろそろ起きようよ。お腹空いたよね?」
動揺を隠すような言い方をして、ベッドから出ようと体の向きを変えると、後ろから包み込むように抱き寄せられた。