Contact〜再会した初恋の君に〜
「いつも瀧本くんがクラスの人たちを引っぱってくれてるから、いなくても頑張ろうってなったんだよ」
「そ、そうか…。そう言ってくれて嬉しいよ」
ヒューードン、ドンと数発の花火が打ち上がり大きな音を鳴らし、いろいろな形に広がっていく…。
「わぁ…。綺麗な花火。あ、あっちのはハートみたいだね。いろんな形があるんだね」
花火を見て子どものようにはしゃぐ田中はめちゃくちゃ可愛かった。
窓際で二人並んで見た花火は最高に綺麗だった。
俺は花火に夢中だった田中に見惚れていたが、意を決して声をかけた。
「あのさ…。田中…」
「ん? なあに?」
彼女の視線は窓の外の花火を見たままだ。今すぐ振り返り俺を見てくれたなら、きっと「好きだ」と言えたのだろう…。
「うん…キレイだな…」
「本当に…綺麗だね」
俺は花火ではなく彼女が綺麗だと言ったはずなんだけどな。
間違いなく誤解しているであろう彼女を抱き寄せて、俺の腕の中に閉じ込めたくて、俺の彼女にしたくて、どうしたらいいのかと真剣に悩んでいた。
そこに「おーい、宏和~。どこだ〜」と邪魔をする声が聞こえてきた。
あの時、祐貴が探しに来なければ、俺は本当に想いを伝えて抱きしめていたかもしれないと思った。
祐貴が「邪魔したか?」なんて呑気に訊くから、「ホントにな」とぶっきらぼうに返した。
「そんなに好きならさっさと告白しちゃえよ」
あの時、そんなことを祐貴に言われたが、初めから田中と俺との温度差がかなりあり、俺に好意を持ってくれているとは考えにくく、彼女に対してはとても臆病になっていた。