Contact〜再会した初恋の君に〜
接近の機会

金曜日の午後7時、高校の時からの友人と食事に行く約束をしていたため、待ち合わせ場所に向かった。

駅の改札を出たところにあるお花屋さんの前で綺麗なお花を眺めて待っていると、懐かしい友人が少し離れたところから手を振りながら小走りで来た。

「紗希ちゃん……はあはあ…」

「佳純ちゃん。久しぶり」

「遅れてごめんね」

手を顔の前で合わせて謝罪する彼女は相変わらず華やかさがある美人さんだ。

私が高2の時、瀧本くんと一緒にクラス委員を引き受けたことで、彼の幼馴染だという佳純ちゃんと宮下くんを紹介された。

3人は幼稚部からの付き合いだという。

私は高校からの付き合いだけれど佳純ちゃんとは気が合ったこともあり、ときどき都合をつけて食事に行ったりしていた。

「ううん。そんなに待ってないから気にしないで」

「ありがとう。お花見てたの? 綺麗だね。ねえ…買っていく?」

「この後食事に行くんだからいいよ」

「そうだね。行こうか」
< 73 / 185 >

この作品をシェア

pagetop