Contact〜再会した初恋の君に〜

side 宏和



俺はこちらに戻ってきたことを報告するために祐貴と佳純に会った時、田中と会ってしっかり話ができる時間を作るための策を考えてもらった。

結果、佳純の提案で田中と佳純が食事にくる店に先に入って待っていよう。そこに偶然会って一緒に食事をする…という流れにした。

前もって俺が一緒だと話してしまうと逃げられてしまいそうだと全員が思ったからだった。

俺は叔父に頼んで金曜日の勤務を交代してもらい、その日は午後から休暇を取り準備をした。

あの二人にはさんざんバカにされてきたが二人の協力もあり、ようやく田中にはっきりと気持ちを伝えることができた。

今夜は田中との関係を変えるためにいつもとは違いすごく緊張していた。

祐貴がやけに無口な俺に行動を起こさせようとテーブルの下で足を蹴ってきたのはわかっていた。

でも、祐貴と佳純のことを素直に喜ぶ田中がかわいくて見惚れていた。
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