こわモテ男子と激あま婚!?
とりあえず一緒に寝た事件のことは置いておいて……。
私が新しく住む部屋を瀬戸先輩が紹介してくれることになったのだけれど――。
「うわああ……」
部屋の中は、ものすごい埃に覆われ、蜘蛛の巣だらけだったのだ。
埃って数か月でもたまるんだね……。
「ううっ、寝床確保のために大掃除から始めなきゃ……」
トホホな気持ちになっていると――。
「さすがにまずいな……掃除、俺も手伝ってやるから、な?」
瀬戸先輩の癖なのか、私の頭をポンポンと撫でてきた。
「ありがとうございます」
……先輩からしたら、大したことないのかもしれないけれど……。
その頭ポンポンは男子とあんまり接したことのない私には刺激が強すぎる。
「ほら、はじめるぞ」
その声を合図に掃除を始めた。
黙々とやり続けていた、その時……。
ドーーーーーーーン。
廊下の方で凄まじい音が聞こえる。
「なんだ!? 今のは」
瀬戸先輩が扉に向かって、外の出来事を確認しようとしたのだけれど――。
「ドアが開かねえじゃねえか」
「え?」
「そうか! 扉の横に立ててた本棚……! あれが倒れて扉を塞いでるんだ!」
「ええ?」
まさか――掃除を始めて早々、私たちは閉じ込められてしまったのだった。