公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね
「叔父が言った通り、最近物騒なことが多い。おれが狙われるだけなら完膚なきまでに打ちのめすだけですが、愛するミユまで危害を加えられました。このことについては、徹底的に追求するつもりです。たとえ爵位を返上することになろうと、将軍職を辞すことになろうともです。たった一人の最愛の女性(ひと)を守れずして、家や国を守れるはずがありませんので」
「……」

 宰相は黙りこくっている。

 というか、いまの宣言、とっても感動的だったわ。

 ほんとうにわたしなんかでいいの? そんな決意までしてくれている相手が、こんなちんちくりんでいいわけ?

 もう何十回目かに心の中で尋ねてしまう。
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