公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね
 可愛らしい少年なんて言ってごめんなさいって感じね。

 反省しなくては。

「料理長、楽しそうだな」

 心の中で反省をしていると、厨房にまたしてもだれかがやって来た。

「閣下」

 イーサンが姿勢を正す。

 厨房の入り口に現れたのは、顔の上半分を銀仮面で覆っているウインズレット公爵だった。

 その威圧感溢れる大きな体を見た瞬間、ドキリとした。

 なぜか体が動かなかった。
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