きみのチョコに毒混ぜた
「他の男にもあげんの?」
ずっとノートに向けられていた視線を、急にこちらに向けるからずるい。
「……さあね、あげるかもね」
嘘、そんな相手いないけど。
「あげてもいーけど、俺のより豪華にしないでね」
「なに、それ」
本当に腹立つ男。なんでそんなに自信満々なの。
……まあそれは、私の気持ちがダダ漏れなだけだろうけど。
私の気持ち絶対わかってるくせに、気付かないふりしてるところが嫌い。
何か言い返してやろうかと思った瞬間、机の上に置いてあった黒いスマホが震える。画面には「美果」の文字。
「どーしたー?」
悪びれもせず、通話ボタンを押して電話を始める。人の部屋で、人のテスト写しながら、他の女と電話するなんて最低だ。
……いいなぁ。
どこの誰だか知らないけど、美果ちゃんは、こいつのこんな優しい声聞いてるんだ。