さよなら、真夏のメランコリー
「してくれないなら許さない」
それが冗談だとわからないわけじゃない。
悪戯に笑う輝先輩は、私をからかっている節もある。
全部気づいていたけれど、私は思い切って顔を近づけながら瞼を閉じた。
チュッとリップ音が鳴る。
勢いのあるキスは、彼みたいに優しい触れ方じゃなかった。
「下手くそ」
「う、うるさいっ……! 初心者だもん……!」
真っ赤になっているであろう私に反し、輝先輩は楽しそうに破顔している。
悔しくて、恥ずかしくて、ムカつくのに……。
「うそ。めちゃくちゃ可愛い」
私を抱きしめた彼に耳元で囁かれて、胸の奥がキュンキュンと震えた。
「ずるい……!」
ははっと笑った輝先輩は、私の顔を覗き込んだ。
「じゃあ、美波が初心者じゃなくなるようにもっとキスしようか」
「バカ……」
反抗しながらも、彼のキスを受け入れた私はもっとバカなのかもしれない。
それなのに、甘く触れる唇を感じながら、このままもっとくっついていたい……なんて密かに思っていた。
それが冗談だとわからないわけじゃない。
悪戯に笑う輝先輩は、私をからかっている節もある。
全部気づいていたけれど、私は思い切って顔を近づけながら瞼を閉じた。
チュッとリップ音が鳴る。
勢いのあるキスは、彼みたいに優しい触れ方じゃなかった。
「下手くそ」
「う、うるさいっ……! 初心者だもん……!」
真っ赤になっているであろう私に反し、輝先輩は楽しそうに破顔している。
悔しくて、恥ずかしくて、ムカつくのに……。
「うそ。めちゃくちゃ可愛い」
私を抱きしめた彼に耳元で囁かれて、胸の奥がキュンキュンと震えた。
「ずるい……!」
ははっと笑った輝先輩は、私の顔を覗き込んだ。
「じゃあ、美波が初心者じゃなくなるようにもっとキスしようか」
「バカ……」
反抗しながらも、彼のキスを受け入れた私はもっとバカなのかもしれない。
それなのに、甘く触れる唇を感じながら、このままもっとくっついていたい……なんて密かに思っていた。