さよなら、真夏のメランコリー
「じゃあ、教室まで行かなくて済むように交換しよ」
「……わかった」
輝先輩と一緒にいると、なんだか調子が狂う。
思えば、彼には出会った日に泣き顔を見られ、次に会った時には情けない姿をさらしている。
だから、こんな風に話せるのかもしれない。
「これでいつでもラインできるな」
私のスマホの画面には、新たに『ともだち』に追加された名前がある。
『輝』とだけ表示された猫の写真が設定されたアイコンに、なんだか胸の奥がムズムズした。
「猫、可愛い……」
ぽつりと呟くと、輝先輩の表情が柔らかくなった。
「ああ、そいつ? トラって名前なんだ」
「トラ模様だから?」
「うん。母さんがつけたんだけど、安直だろ?」
おかしそうに笑う彼に、やっぱり心が落ち着かない。
気のせいか、視線を浴びている気もしていて、余計にソワソワした。
「あの……昨日の約束はもういいから、帰ってもいい?」
「え?」
きょとんとした顔を向けられて、次の言葉が出てこなかった。
「……わかった」
輝先輩と一緒にいると、なんだか調子が狂う。
思えば、彼には出会った日に泣き顔を見られ、次に会った時には情けない姿をさらしている。
だから、こんな風に話せるのかもしれない。
「これでいつでもラインできるな」
私のスマホの画面には、新たに『ともだち』に追加された名前がある。
『輝』とだけ表示された猫の写真が設定されたアイコンに、なんだか胸の奥がムズムズした。
「猫、可愛い……」
ぽつりと呟くと、輝先輩の表情が柔らかくなった。
「ああ、そいつ? トラって名前なんだ」
「トラ模様だから?」
「うん。母さんがつけたんだけど、安直だろ?」
おかしそうに笑う彼に、やっぱり心が落ち着かない。
気のせいか、視線を浴びている気もしていて、余計にソワソワした。
「あの……昨日の約束はもういいから、帰ってもいい?」
「え?」
きょとんとした顔を向けられて、次の言葉が出てこなかった。