彼の素顔は甘くて危険すぎる
(ひまり視点)
合格発表の翌日。
土曜日という事もあって、学校は休日。
両親はもちろん仕事なんだけど、お昼休みを利用して、母親にピアスの穴を開けて貰うことになっている。
リビングで今か今かと待ち構えていると。
白衣姿の両親がやって来た。
父親は冷凍庫から保冷剤を取り出し、それを私の耳に当て始めた。
母親は消毒セットをテーブルの上に置き、医療用手袋をはめた。
「これで開ければいいの?」
「うん」
簡単に開けられるようにピアッサーを用意してある。
母親も穴が開いてるから、反対はしない。
父親は反対はしないが、心配そうに見つめている。
自宅が病院というのが最大のメリット。
消毒といっても麻酔も兼ねているし、医師が開けるのだからアフターケアも完璧なのが安心材料。
母親が事前処置を施してくれて、準備万端。
父親は見たくないといい、ダイニングでお昼ご飯を食べ始めた。
「この印の所でいいのね?」
「うん」
「じゃあ、行くわよ?」
「お願いします!」
ガチャッという音と共にパンッと乾いた音が鼓膜に響いたと思った次の瞬間には、カーッと熱くなったように感じた。
恐る恐る指を這わせると、そこにはちゃんと銀色に輝くピアスが着いている。
「もう片方も行くわよ?」
「お願いします!」
鏡を手にして、母親が施すのをじっと見つめていると、先ほどと同じように乾いた音と同時に耳元に輝くピアスが着いた。
「これで暫く冷やしてなさい」
「はぁ~い」
「ここに痛み止め置いておくから、必要なら飲みなさいね」
「うん、ありがとママ」