はやく俺のこと好きになってよ、先輩。
放課後、掃除が終わって仁乃と一緒に昇降口に向かっていた。
階段を降りると、昇降口の外がなんだか騒がしい。
「ねぇ明華、なんだろうね!」
ちょっとワクワクしながら靴を履き替えている仁乃。
好奇心たっぷりな仁乃は、ぴょこぴょこと小動物みたいで可愛い。
そんなことを思いながら、私も靴を履き替えていると、外の声が耳に入る。
「ねー、誰か待ってるのー?遥斗くんがめずらしいよねー!」
「遥斗くんっ、一緒に帰らない?」
きゃあきゃあ黄色い声をあげながら、女子が男子に群がっているのかと、内容的に察した。
ぴょこぴょこと前を歩く仁乃を追うかたちで、私も外へ出る。