はやく俺のこと好きになってよ、先輩。


「な、なに?」



「忘れさせてあげましょうか?」


「は?」


「だから、その元カレ。俺が忘れさせてあげますよ」


口角は上がっていて笑っているようだけど、何を考えているのかわからない、つかめない顔。



何を言ってるの?


頭の中で彼が言ったことがリピートされ、私は眉をひそめた。



「からかってるの?だったらやめてくれる?」


「本気ですよ。先輩の頭の中、俺でいっぱいにしてあげます」


本気という割に、どこか楽しんでるようなそんな顔。


「・・・・・・。あのさ、君の遊びに付き合ってる暇はないの。ほか当たってくれるかな」


冷静にそう返し、掴まれている右腕から彼の手を解いた。


「フッ、まあそうなりますよねー。でも、俺決めたんで。覚悟しといてくださいね、あすかせーんぱい」



は・・・・・・本当になんなのっ!?


笑顔でそう言った彼に、私は更に眉をひそめて無言でその場を後にした。

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