どんな君も、全部好きだから。
期末試験が終わった次の週。
もう七月も半ばに入ろうとしていた。
その日は日直で、二時間目の後の休み時間に担任から職員室に呼び出されていた。
職員室前では期末試験の順位が貼り出されているらしく、人が集まっているのが目に入った。
貼り出されるのは上位50位までで、平凡な成績の俺にはまったく関係がないし興味もないのでそのまま素通りしようとした。
けど。
人だかりの中の一人の女子が視界に入った瞬間、心臓がドクンと跳ねた。
ずっと忘れられなかった図書委員のあの子がいた。
俺の足は自然と彼女の方へ近づいて行った。
人が多くてすぐ近くには行けないけど、会話が少し聞こえるところまでは近づけた。
「優依ちゃん載ってるね!すごいよ~」
「あ、ありがとう」
『ユイちゃん』と呼ばれた図書委員の彼女は、照れくさそうな顔で隣の女子にお礼を言っていた。
あの日図書室で俺に向けられたはにかんだ顔が思い出されて胸がきゅっとなった。
彼女たちが行ってしまった後、俺は順位表に目をやった。
そこに載っていた人物で『ユイ』と読める名前は一人しかいなかった。
一年六組、早坂優依。
ぜったいに彼女の名前を忘れないように、心の中で何度も何度も繰り返した。
クラスと名前がわかればいつでも会いにいける。
まずはどうにかして友達になりたい。
彼女と仲良くなる予定のこれからの学校生活を想像して、俺は顔が緩むのを抑えられなかった。
もう七月も半ばに入ろうとしていた。
その日は日直で、二時間目の後の休み時間に担任から職員室に呼び出されていた。
職員室前では期末試験の順位が貼り出されているらしく、人が集まっているのが目に入った。
貼り出されるのは上位50位までで、平凡な成績の俺にはまったく関係がないし興味もないのでそのまま素通りしようとした。
けど。
人だかりの中の一人の女子が視界に入った瞬間、心臓がドクンと跳ねた。
ずっと忘れられなかった図書委員のあの子がいた。
俺の足は自然と彼女の方へ近づいて行った。
人が多くてすぐ近くには行けないけど、会話が少し聞こえるところまでは近づけた。
「優依ちゃん載ってるね!すごいよ~」
「あ、ありがとう」
『ユイちゃん』と呼ばれた図書委員の彼女は、照れくさそうな顔で隣の女子にお礼を言っていた。
あの日図書室で俺に向けられたはにかんだ顔が思い出されて胸がきゅっとなった。
彼女たちが行ってしまった後、俺は順位表に目をやった。
そこに載っていた人物で『ユイ』と読める名前は一人しかいなかった。
一年六組、早坂優依。
ぜったいに彼女の名前を忘れないように、心の中で何度も何度も繰り返した。
クラスと名前がわかればいつでも会いにいける。
まずはどうにかして友達になりたい。
彼女と仲良くなる予定のこれからの学校生活を想像して、俺は顔が緩むのを抑えられなかった。